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みなさんが日々の買い物に使っている「現金」は、手で触ったり、折ったりできますよね。これは、現金というお金が「物質的」であるからです。ほかの資産では、金(ゴールド)や銀(シルバー)、芸術品・骨董品などをイメージするとわかりやすいでしょう。

このような「物質的」なお金に対して、近ごろは「電子的」なお金を使う人が増えてきました。例えば、Suica(スイカ)やLINE Pay(ラインペイ)、nanaco(ナナコ)などの電子マネーです。

ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)、LINK(LN)をはじめとする暗号資産(仮想通貨)も「電子的」なお金です。しかし、電子マネーとは異なります。

電子マネーは国が発行する法定通貨を電子的に扱えるようにしたものであり、その法定通貨には国という発行主体が存在します。しかし、暗号資産にはその発行主体が明確に存在しないことが多いからです。

すると、「物質的な価値」が存在しない、また「明確な発行する主体」が存在しないケースが多い暗号資産の価値、あるいは価格を支えている正体は何か?という疑問が生まれます。

電子的なお金というものがよくわからず、「自分のお金が消えてなくなってしまうのではないか?」「価値がなくなってしまうのではないか?」という不安から、暗号資産投資に踏み切れない方もいるのではないでしょうか。

そのため今回の記事では、「暗号資産の価値(価格)を支えるものは何か?」について考えることで、お金の本質への理解を深めて、そのような不安を少しでも払拭したいと思います。

お金の持つ要素と条件はとてもシンプル

ここでは「お金が持つ4つの要素」と「お金であることの3つの条件」を解説します。

ぱっと見、「難しそう……」と思うかもしれません。だからこそ、複雑な話は抜きにしますね。みなさんと歩調を合わせながら一つひとつ、説明していきます。

お金が持つ4つの要素

  1. 交換:モノ(製品)やサービスとの交換を可能にする要素
  2. 価値尺度:モノ(製品)やサービスの価値を一律に判断できる単位に分割・統合する要素
  3. 後払い:掛売買における「債務(支払の義務)」と「債権(受取の権利)」の要素
  4. 価値貯蔵:腐敗や欠損することなくその価値を保存する要素

「お金が持つ要素(機能)」は、交換・価値尺度・価値貯蔵の3つで解説されることが一般的ですが、後払いの要素もあります。

これらについては後ほど、ビットコインを例に挙げながら詳しく解説しますね。

4elements

お金が「価値のあるもの」として流通するのに必要な3つの条件

  1. 偽造防止:「お金」は簡単に偽造・コピーできないように作られるべきという条件
  2. 二重支払防止:モノ(製品)・サービスにお金で支払いをしたら、口座やアカウントにその結果が反映されるべきという条件
  3. 透明性・信頼性のある通貨の発行:お金は一定の基準に基づいて発行されるべきという条件

これらは、説明がなくても納得できるかと思います。

3conditions

ここまで、

  • お金が持つ4つの要素
  • お金であることの3つの条件

について、紹介しました。

ここまで述べた4つの要素と3つの条件について、使用している言葉は難しいかもしれませんが、考え方はとてもシンプルです。「この考え方を押さえた上で、暗号資産にもそれを当てはめて考えること」が大事です。

ビットコイン価格の高騰は、チューリップバブルとは違う

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みなさんは「チューリップバブル」という、17世紀のオランダで起きた歴史的な出来事を知っていますか?

簡単に概要を説明すると、ある植物学者のチューリップに関する著書の刊行とチューリップの球根の配布をきっかけにオランダでチューリップの球根を収集する人たちが少しずつ増えていきました。

しかし、チューリップ収集家の投資熱がどんどん加熱していき、当時の人たちの年収の金額に匹敵するほど、一部のチューリップ球根の価格が高騰したのです。

やがて市場の熱は冷めて、チューリップ球根の価格は、適正な価格へと戻ることになるのですが、実用性がない球根のような投資対象でも、市場が暴騰することがあるという教訓が残りました。

投資対象としての暗号資産(仮想通貨)とチューリップには、いくつかの類似点があります。

例えば、

  • 急激な価格上昇が過熱した投資家の行動により生じる
  • 投資家だけではなく一般の人々も投資に参加している
  • さまざまな格付け(ランキング)や種類(タイプ)がある

ことなどが、挙げられるでしょう。

しかし筆者の見解では、暗号資産とチューリップに投資することは、まったく違うと考えています(以降は、暗号資産の代表格として、具体的にビットコインを例に挙げて説明します)。

最も重要な論点は、「ビットコインの価値がとてもよく考えられた設計によって支えられていること」です。

ビットコインのベースとなる技術のブロックチェーンについて公開したSatoshi Nakamotoの論文、“Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System”(※)では、ビットコインの価値は高度な数学モデルとインセンティブ設計、暗号学の理論に基づいて維持するよう、具体的に示されています。より詳しい内容を知りたい方は、ぜひこの論文を読んでみてくださいね。

さらに、ビットコインの開発はオープンソース(OSS)であるため、新しい条件に応じて仕組みを民主的かつ分散的な方法で、アップデートすることが可能です。

このような見地から、ビットコインとチューリップでは、まったく異なる投資対象であり、ビットコイン価格の高騰とチューリップバブルは、違う現象であると考えています。

※https://bitcoin.org/bitcoin.pdf

ビットコインの価値には、理論的な裏付けがある

ここまで、お金の「要素」と「条件」について考えました。

ここからは、「ビットコインは『特定の発行体を持たずに』それらすべての要素と条件を満たした歴史上、初めての通貨」であることを強調しつつ、コンパクトにまとめます。

まずは「ビットコイン」が、お金が持つ4つの要素を満たしていることを、確認してください。

お金に必要な要素〜ビットコインの場合
  
① 交換機能モノ・サービスの価値に対する支払い・受け取りができる
② 価値尺度モノ・サービスの価値を分割・統合した単位で表せる
③ 後払い 掛売買(債務・債権)に応用することが可能である
④ 価値貯蔵電子データであるため腐敗や欠損することはない

さて、それではお金の4要素を暗号資産の代表格である「ビットコイン」を例にして、考えてみましょう。

ひとつ目の「交換機能」については、わかりやすいですよね。ビットコイン(BTC)は世の中のさまざまなモノあるいはサービスの対価として交換できます。ところで、みなさんは、2010年5月22日が「ビットコイン・ピザ・デイ(Bitcoin Pizza Day)」と呼ばれているのをご存じでしたか?この日は、ピザ2枚と10,000BTCが「交換」された日であり、世界で初めて暗号資産がモノと交換された歴史的な日なんです。

ふたつ目の「価値尺度」は、電子マネーと比較をすると理解しやすいです。例えば、LINE Payではお金の単位が「円」表記ですよね。一方、暗号資産では各々の通貨が独自のアルファベットコード(ティッカーシンボル)を持ちます。先ほどのピザの話で出てきた「BTC」がこれに当たります。ちなみに、執筆時点(2021年2月下旬)で10,000BTCは、約500億円に相当します......!

3つ目の「後払い」は、あまり言及されることはなく、これといった事例もありませんでした。しかし近頃、お給料の支払いに暗号資産を活用したり、キャンペーン参加により後日、暗号資産がもらえたりといった取り組みが少しずつ増えてきています。

4つ目の「価値貯蔵」に関しては、ビットコインは電子データであるため、腐敗や欠損するリスクがありません。ただし、法定通貨と比べると価格変動は大きいという特徴はあります。

上記に加え、これから説明する「お金であることの条件(お金が価値のあるものとして流通するのに必要な条件)」をすべて満たしていることが必要です。

お金であることの条件〜ビットコインの場合
  
①偽造防止公開鍵・秘密鍵暗号方式、ハッシュ・アルゴリズム、電子署名などのすでに存在する技術を組み合わせて偽造を防止する
②二重支払防止コンセンサス・アルゴリズム「PoW(Proof-of-Work)」におけるマイニング(採掘)により二重支払いを防止する
③透明性・信頼性のある通貨の発行アルゴリズムにより発行プロセスは数学的かつ客観的に実行させる。世界中に分散化したノード(ユーザー)ネットワークにより、透明性・信頼性は担保されている

専門用語が多すぎですよね。これを見てすぐに意味を理解できる人は、なかなかいないと思います。だからこそ、わかりやすく教えてほしい......そんな声が聞こえてくるようです。

ですが、今回の記事を通じて「暗号資産に価値があるのは、お金に必要な要素と同じ条件があるから」というポイントは、押さえていただけたのではないでしょうか。

そこで、次回予告です!次回の記事では、暗号資産(仮想通貨)の「マイニング」について、LINE BITMAXの中の人に取材をします。マイニングがわかると、ここに書いてある専門用語の大部分が理解できるようになります。楽しみにしていてくださいね!

Text/師田賢人(@kento_morota
Illust/アッシー(@Ashida_Assy
Edit/プレスラボ(@presslabo


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