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本記事は、全3回の連載記事「暗号資産の税金と確定申告」のうち、第3回目「暗号資産の損益計算~移動平均法・総平均法とは~」です。
「暗号資産の税金と確定申告」全3回
第1回:暗号資産にかかる税金の基本
第2回:暗号資産の確定申告の流れ
第3回:暗号資産の損益計算~移動平均法・総平均法とは~


全3回にわたって、暗号資産取引にかかる税金と確定申告の方法をご紹介します。記事は、暗号資産の損益計算サービス「Gtax」を提供する株式会社Aerial Partnersの藤村大生様にご寄稿いただきました。記事を参考に、自分は確定申告をする必要があるのか、どのように申告すれば良いか、学びましょう。



はじめに

暗号資産取引で利益が出た場合は、第2回の記事でご説明したように、正確な損益額を算出して確定申告を行いますが、この損益計算の際には「移動平均法」「総平均法」のどちらかを選択する必要があります。

この記事では移動平均法・総平均法の違いについて解説していきます。

移動平均法と総平均法

暗号資産の損益計算を行う際、暗号資産をいくらで取得したかという情報が必要となります。暗号資産を取得するのにかかった費用を取得価額といい、計算時に用いられます。

取得価額を求めるための計算方法には移動平均法・総平均法の2種類があり、どちらかを選択する必要があります。

【移動平均法と総平均法】
移動平均法:暗号資産を購入するたびに、取得価額を算出する方法
総平均法:年間の購入金額合計を購入数量合計で割って算出する方法

この説明だけではわかりにくいと思いますので、実際の計算例を使って説明していきます。


暗号資産の損益計算の基本

移動平均法・総平均法の違いについて説明する前に、まずは簡単なケースにおける暗号資産の損益計算の方法について説明していきます。

1つ目のケースは、購入・売却がそれぞれ1回ずつのシンプルな場合です。

【ケース1】
ビットコイン(BTC)の時価が「1BTCあたり100万円(100万円/BTC)」のときに3BTCを購入し、その後、時価が150万円/BTCになったタイミングで1BTCを売却した。

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このケースでは、購入した3BTCのうち、売却した1BTCの取得価額(=100万円)と、売却時の時価(=150万円)の差額である50万円が利益となり、移動平均法と総平均法の間で計算結果に違いはありません。

移動平均法・総平均法の計算例

ケース1では、BTCの購入回数が1回のみだったため、BTCの取得価額=購入時の時価 とシンプルでしたが、BTCを2回以上購入した場合の取得価額の計算はどのようになるでしょうか。

ここで、移動平均法・総平均法という計算方法がでてきます。

【ケース2】
BTCを、①〜④の順で購入・売却した。
①時価100万円/BTCで1BTCを購入
②時価150万円/BTCで1BTCを購入
③時価200万円/BTCで1BTCを売却
④時価275万円/BTCで1BTCを購入


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このケースでは、BTCの購入が3回、売却が1回となっており、BTCを売却した際に、取得価額を移動平均法・総平均法のどちらで計算するかによって、損益額が変わります。

そこで、③で行った「時価 200万円/BTC で1BTCを売却」について、売却したBTCの取得価額はいくらになるか、移動平均法・総平均法の順にみていきましょう。


移動平均法

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まずは移動平均法です。移動平均法では、暗号資産を購入する度に取得価額を計算します。③で行った「時価 200万円/BTC で1BTCを売却」の場合、まず直前の②の購入までの取得価額を計算します。

[100万円(①の時価) +150万円(②の時価)] ÷2(①+②の購入数量) = 125万円

次に、計算した125万円を取得価額として損益額を計算します。

200万円(③の売却価格) – [125万円(取得価額) × 1BTC(③の売却数量)]= 75万円(損益額)


総平均法

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総平均法では、1年間(1月1日~12月31日)に購入した金額の合計を、1年間に購入した暗号資産の数量の合計で割って取得価額を算出します。

このケースでは、①②④のBTCの購入金額合計である525万円を、購入数量合計3BTCで割って計算された175円/BTCという取得価額を一律で利用します。

[100万円(①の時価) +150万円(②の時価)+275万円(③の時価)] ÷3(①+②+③の購入数量) = 175万円

したがって、ケース2の損益額はこのような計算になります。

200万円(③の売却価格) – [175万円(取得価額) × 1BTC(③の売却数量)]= 25万円(損益額)

 

この様に、年間で全く同じ取引を行っているにも関わらず、移動平均法・総平均法で、損益額が異なる結果となりました。

ポイント:移動平均法と総平均法の違いは、購入した暗号資産の取得価額(単価)を計算するタイミングです。移動平均法は暗号資産を購入するたびに取得価額(単価)を計算しますが、総平均法は年度の最後にまとめて取得価額(単価)を計算します。


移動平均法・総平均法の特徴について

移動平均法・総平均法では、それぞれ取得価額の算出方法が違うため、以下のような特徴があります。

【移動平均法】
・暗号資産を購入するたびに取得価額(単価)を算出するため、計算が煩雑
・移動平均法を利用して損益計算を行うと体感に近い計算結果となる
・年度中に損益計算ができるため、所得の見積りや納税資金の準備が行いやすい

【総平均法】
・年度内のすべての購入を集計し、一度で単価を計算できるため計算が簡単
・購入タイミングや市場のトレンドによっては体感とかなり離れた計算結果になることがある
・年度が終わらないと取得価額(単価)がわからないため、納税資金の準備が行いづらい

移動平均法と総平均法は単年度の計算結果は異なりますが、将来にわたって生じる損益額は一致します。

移動平均法・総平均法で計算を行うには

移動平均法・総平均法の2つの計算方法とそれぞれの特徴についてシンプルな例をもとに解説してきましたが、取引の件数が多かったり、様々な種類の取引を行っている場合は計算が非常に難しく、これらの計算を手作業で行うとかなりの時間と労力がかかります。
時間と労力をかけずに損益計算を行いたい方は「Gtax」などの損益計算サービスを利用することをおすすめします。

「Gtax」では移動平均法・総平均法の両方の計算方法に対応しており、LINE BITMAXでの取引にも対応しています。取引履歴をアップロードするだけで自動で計算が完了するので、難しい知識は必要ありません。確定申告のための損益計算を行いたい方はぜひ活用してみてください。

暗号資産の損益計算サービス「Gtax」の詳細はこちら


【ご注意事項】
本記事は執筆者の見解です。本記事の内容に関するお問い合わせは、株式会社Aerial Partners(https://www.aerial-p.com/)までお願いいたします。


執筆者:藤村大生
株式会社Aerial Partners
ビジネス開発部長
税理士・公認会計士

株式会社Aerial Partnersにて暗号資産投資家の確定申告サポート、暗号資産事業者に対する経理支援を行っており、暗号資産会計・税務の知見が深い。監査法人出身でデューデリジェンス、原価計算導入コンサルなどの業務を中心に従事。また、証券会社の監査チームの主査として、分別管理に関する検証業務を牽引。


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