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本記事は、全3回の連載記事「暗号資産の税金と確定申告」のうち、第1回目「暗号資産にかかる税金の基本」です。

「暗号資産の税金と確定申告」全3回
第1回:暗号資産にかかる税金の基本
第2回:暗号資産の確定申告の流れ
第3回:暗号資産の損益計算~移動平均法・総平均法とは~

2021年になって早くも1か月が経ちます。記事をご覧の方の中には、暗号資産取引の確定申告が気になっている方もいるのではないでしょうか。

今回は、全3回にわたって、暗号資産取引にかかる税金と確定申告の方法をご紹介します。記事は、暗号資産の損益計算サービス「Gtax」を提供する株式会社Aerial Partnersの藤村大生様にご寄稿いただきました。記事を参考に、自分は確定申告をする必要があるのか、どのように申告すれば良いか、学びましょう。



はじめに

暗号資産を売るなどして得た利益には税金がかかります。一定の利益が出た場合は原則として、確定申告をして納税をしなければなりません。

この記事では、暗号資産取引にかかる税金の基本について解説していきます。



暗号資産取引には税金がかかり、確定申告が必要になる

所得の種類には給与所得や不動産所得、事業所得など全部で10種類ありますが、暗号資産取引によって発生した所得は、原則として雑所得に区分されます。

一般の会社員の方の場合、年間の雑所得が20万円以上の場合は確定申告が必要になります。

会社員や公務員は源泉徴収、年末調整などによって毎月の給与から天引きされる形で納税しているので、確定申告や納税に関してあまり意識したことがないという方も多いのではないでしょうか?

しかし、暗号資産取引によって得た所得は、確定申告を行い確定した税額を自身で納付する必要があります。

参考:国税庁「給与所得者で確定申告が必要な人


取引で利益が出るタイミングは?

暗号資産を購入して、売却せずに保有しているだけでは税金はかかりません。
ではどのようなタイミングで課税の対象となる利益が発生するのでしょうか?

暗号資産取引では、取引の種類によって様々なタイミングで利益が発生するので注意が必要です。実は大きな利益が出ているにも関わらず、それに気づかず申告をしなかったといった事態にならないように、各取引の利益が発生するタイミングを確認しておきましょう。

暗号資産を売却した時

暗号資産を売却した際は、売却したタイミングで利益(または損失)が発生します。暗号資産を取得したときの取得価額*と売却したときの価格との差額が利益額(または損失額)となります。

例)100万円で購入した1ビットコイン(BTC)を120万円で売却
 →120万円(売却時の価格)-100万円(取得価額)=20万円(利益額)

*取得価額:暗号資産を取得するために支払った金額(手数料なども含む)。

暗号資産同士の交換をした時

BTCでイーサリアム(ETH)を購入するなど、暗号資産で他の暗号資産を購入する際にも利益が発生する可能性があるので注意が必要です。

例)100万円で購入した1BTCが120万円に値上がりした。その後、そのBTCで12ETHを購入した(1ETH=10万円とする)。
 →120万円(ETHの購入価格)-100万円(BTCの取得価額)=20万円(利益額)

上の例では、保有しているBTCを一度売却し、日本円でETHを購入するという取引と同じ扱いになります。

暗号資産を無償で取得した時

LINE BITMAXで開催されているキャンペーンでLINKのプレゼントを受け取る場合や、知人からプレゼントされた場合のように、暗号資産を無償で取得した場合(「エアドロップ」や「ボーナス」と呼ばれることもあります)は、取得した時点の時価がそのまま利益となります。

また、これらの暗号資産を売却する際にも、利益(または損失)が発生するので注意が必要です。

レンディング(貸出)を行って貸借料を受け取った時

LINE BITMAXの暗号資産貸出サービスのように、暗号資産を貸し出すことで貸借料を受け取ることができるレンディング(貸出)ですが、こちらも受け取った時点の貸借料の時価が利益となります。

上で説明したもの以外にも、マイニングの報酬として暗号資産を取得したとき、ハードフォークで新たな暗号資産を取得したときなど、様々なタイミングで利益が発生します。行っている取引の利益が発生するタイミングについて不安な場合は、税理士や税務署に相談することをおすすめします。




暗号資産にかかる税金の特徴

本記事の最初に、暗号資産による所得は雑所得に区分されると説明しました。これから雑所得の特徴について解説していきます。

所得が大きいほど課される税率が大きくなる(累進課税)

雑所得(=暗号資産取引による所得)は、総合課税の対象で、給与所得など他の所得との合計額に課税されます。例えば、給与所得が500万円、暗号資産による所得が200万円の場合は、この2つの所得を合計した700万円となり、この金額から控除額などを差し引いた課税所得に対して課税されます。

所得額が大きくなるほど税率が上がる累進課税で、最高で45%(住民税・復興特別所得税を含めると約55%)の所得税が課されます。
 

確定申告1
 (参考:国税庁「所得税の税率」)

これに対し、FXによる所得や株式の譲渡による所得は申告分離課税になるため、他の所得金額と合計せず分離して税額を計算します。

暗号資産取引で損失が出た場合、他の利益と相殺できない(損益通算禁止)

事業所得などで利益が出ていて、暗号資産取引で損失が発生した場合、この損失は他の所得と相殺することはできません。給与所得を得ている会社員の方も、給与所得を雑所得の損失と相殺することはできません。

生じた損失は翌年以降の利益と相殺できない(損失の繰越控除禁止)

たとえば上場株式の売買によって生じた損失は3年繰り越すことができ、翌年以降に発生した利益から控除することができますが、暗号資産取引により発生した損失は翌年以降に繰り越すことができません。


まとめ

・暗号資産による所得は雑所得に区分され、雑所得が20万円以上の場合は基本的に確定申告が必要
・暗号資産の取引の種類によって利益が発生するタイミングが異なるので注意
・雑所得(=暗号資産による所得)は総合課税の対象で、給与所得などとの合計額で税率が決まる。所得額が大きいほど税率が高くなる。

今回は、暗号資産にかかる税金について解説してきました。
暗号資産取引を行う際には、税金についての基本的な仕組みをきちんと理解しておくことが大切です。

まずは、確定申告が必要かどうかを確認し、必要な場合は適切に申告を行いましょう。

暗号資産取引による利益額は「Gtax」などの損益計算サービスを利用することで簡単に計算することができます。確定申告が必要になりそうな方は是非活用してみてください。

暗号資産の損益計算サービス「Gtax」の詳細はこちら


【ご注意事項】
本記事は執筆者の見解です。本記事の内容に関するお問い合わせは、株式会社Aerial Partners(https://www.aerial-p.com/)までお願いいたします。


執筆者:藤村大生
株式会社Aerial Partners
ビジネス開発部長
税理士・公認会計士

株式会社Aerial Partnersにて暗号資産投資家の確定申告サポート、暗号資産事業者に対する経理支援を行っており、暗号資産会計・税務の知見が深い。監査法人出身でデューデリジェンス、原価計算導入コンサルなどの業務を中心に従事。また、証券会社の監査チームの主査として、分別管理に関する検証業務を牽引。


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